インカジの仕組みとは？オンカジとの違いも知っておこう

インカジという言葉を聞いたことがあるでしょうか？インカジとはインターネットカジノの略称で、店舗をもつカジノ店を指します。一方オンカジはオンラインカジノの略称で、インターネットを通して遊べるカジノゲームプラットフォームを指します。

オンカジは日本において違法でも合法でもないグレーゾーンとして知られていますが、インカジは明確に違法であり、摘発事例も数多くあります。そして、オンカジにはない危険性も複数あります。

この記事ではインカジとは何か、インカジとオンカジの違い、摘発事例、それぞれの違法性を掘り下げて見ていきます。

1 インカジとは？オンカジとの違い
2 インカジ摘発事例
3 オンラインカジノの違法性を巡る議論
4 安全なカジノでプレイしよう
5 よくある質問

インカジとは？オンカジとの違い

繁華街を歩いていると、居酒屋のキャッチのような感覚で「スロットいかがですか」「ギャンブルしませんか」などと誘うキャッチに出会うことがあります。ここで軽い気持ちでついていってしまい、インカジにハマってしまう危険性があります。先ほども述べた通り、インカジは違法ですのでここでハマってしまうと取り返しのつかない結果になります。

まずここではインカジとは何か、オンカジと何が違うのかを見ていきます。

インカジの定義と違法性

インカジとは、インターネットを介してカジノゲームを遊べる実店舗のことを指します。店舗内にはパソコンが並び、スタッフに現金を渡すまたはポイントを購入して、スタッフがそのお金をアカウントに入金することで、オンラインカジノゲームを遊べるというものです。遊べるゲーム自体はスロット、バカラ、ポーカーなどオンラインカジノで提供されているものと同様です。お店は繁華街の雑居ビルや集合住宅内にひっそりと存在するため、自分で見つけて行くことはほぼ不可能です。

まず、このようなインカジの運営は無許可で行われています。そのため、警察に見つかった時点で一発アウトになります。インカジに入る際は顔写真や身分証明書を撮られる場合もあるようです。日本の刑法186条第２項「賭博場開帳等図利罪」は、日本における賭博場の運営を禁じているので、見つかればこの時点で運営者は罪に問われ、３ヶ月以上５年以下の懲役刑が科されます。

そして捕まるのは運営者だけでなく客の立場でも同じで、現行犯や別の場所でも罪が認められた場合は、刑法185条における「単純賭博罪」に問われます。何度も賭博を行っており常習性が認められた場合は刑法186条第１項「常習賭博罪」にあたり、３年以下の懲役刑となります。

このように、明確に罪となるのがインカジです。

オンカジとの違い

それでは、似た響きのオンカジとの違いを比べてみましょう。

まず、インカジの運営は国内で賭博場を運営していますが、オンカジはしっかりと信頼できるライセンスを取得した海外の企業が海外を拠点に運営しています。

また、インカジでは第三者機関による監査などはないため使用するプラットフォームの安全性は担保されませんが、しっかりとしたオンカジであれば第三者機関の監査を経て信頼性を担保されているプラットフォームを使っており、イカサマなどはありません。

そして、インカジでプレイするカジノのアカウントは店側が管理しており利益は店を通してから客に還元されますが、オンカジは言うまでもなく自身のアカウントで自分で管理します。また、インカジでは現金を受け取って換金→還元まで全て日本国内で行われていますが、オンラインカジノの場合は海外を介する店でも異なります。

このように、インカジは運営が違反している以外にも、プラットフォームの公平性やお金の流れでもオンカジとは大きく異なります。プラットフォームがもし公正でなければ、「最初は勝っていたのに大きく賭けた途端に負けた」、「負けを回収しようと思ったがもう無理だった」といった状況に陥る可能性も低くありません。またインカジの運営には反社会的勢力が関与しているケースが多く、店が得た利益がそのような勢力に流れている可能性も否めないでしょう。

一方オンラインカジノは公平性が担保されたプラットフォームと信頼性の高い企業運営といった点で、インカジとは全く異なります。

インカジ摘発事例

2020年以降、インカジは繁華街を中心に増加傾向で、それに合わせてインカジにまつわる摘発事例も多数存在します。ここでは主要なものをいくつか紹介します。

2024年４月：大阪市生野区「BAN」

まず最新の例として、2024年４月に大阪市生野区に存在したインターネットカジノ店「BAN」の事例です。ここでは胴元と客、合わせて10名が現行犯逮捕されています。

BANでは今までに約１億2,000万円も売り上げており、背後には闇バイト関連の人間が存在したといわれています。以前までは暴力団などの反社会的グループが主でしたが、最近よくニュースになっている闇バイトとインカジの関連性もここで明らかになりました。

2023年１月：新宿区歌舞伎町「SEXY」

日本一の繁華街新宿歌舞伎町では、2023年１月に国内最大級ともいわれたインターネットカジノ店「SEXY」が摘発されています。

2005年11月以降、総額500億円近くの売り上げを上げており、実際に全国に違法カジノを運営するグループが営業していた店舗のうちの１つだったようです。

2023年10月：横浜市中区「グリーン」

神奈川県の事例として、バカラ賭博を巡って逮捕されたこの件は経営者を含む従業員２１人が逮捕されました。また客として通っていた８人も書類送検されています。この店舗ではバカラ台が４基設置されており、現金約100万円と合わせて押収されています。

店は24時間営業で、鉄製の扉が設置されるなど厳重に管理されていたことが窺えますが、結局は情報提供を受けた警察により現行犯逮捕となりました。

オンラインカジノの違法性を巡る議論

インカジの違法性について見てきましたが、日本においてはオンラインカジノをめぐる違法性の議論も活発に行われています。言うまでもなくインカジを運営することはもちろん、利用は厳禁ですが、オンカジ利用における最新の状況はどうなのでしょうか。

日本におけるオンラインカジノの違法性

日本において、オンラインカジノ違法性は長らくグレーゾーンとして知られています。合法国であってもライセンスがなかったり、日本で運営している場合は違法ですが、上述したようにオンラインカジノの運営自体は合法の国でライセンスを取得して行われている限り合法です。

日本では公営ギャンブルまたは認可されたパチンコ以外の賭博は厳禁とされていますが、海外運営の合法オンラインカジノ利用における違法如何については法的に明確に定められていません。その一方で最近では大々的にYouTubeでオンラインカジノをプレイしている場面を配信していた配信者が逮捕されるなど、規制は徐々に厳しくなっている印象です。

この状況においては、日本でオンラインカジノをすること自体は違法とは言い切れませんが、最新の情報をしっかりと把握した上で自己責任でプレイする必要があります。

オンラインカジノの今後

現在はグレーゾーンではありますが、今後のオンラインカジノをめぐる展開はまだわかりません。日本ではIR法が制定されたことから、ランドカジノを含む統合型リゾートの開発が進んでいます。インバウンド強化や地域経済の活性化への期待から制定されたもので、数年以内に合法のランドカジノをプレイできる可能性があります。

IR法はオンラインカジノとは直接関係ありませんが、これを機にカジノへの理解が進み、オンラインカジノの状況が見直される日が来るかもしれません。